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扁桃腺:体内を守る免疫の砦

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扁桃腺:体内を守る免疫の砦 咽頭に位置する左右一対の楕円形の組織、それが 扁桃腺 です。まるで体の入り口を守る門番のように、細菌やウイルスなどの病原体と戦い、私たちの健康を守っています。 1. 免疫システムの中核:病原体と戦う最前線 扁桃腺は、体内に侵入しようとする病原体をいち早く察知し、排除する重要な役割を担っています。 免疫細胞の集積地: 扁桃腺には、マクロファージ、リンパ球、樹状細胞など、様々な免疫細胞が密集しています。これらの細胞は、病原体を認識し、攻撃し、排除する働きをしています。 抗体産生工場: 病原体と接触すると、扁桃腺は抗体と呼ばれるタンパク質を産生します。抗体は、特定の病原体と特異的に結合し、無力化または除去する役割を果たします。 記憶細胞の貯蔵庫: 扁桃腺は、過去に遭遇した病原体に対する記憶細胞を保持しています。この記憶細胞のおかげで、同じ病原体が再び侵入してきた際に、迅速かつ強力な免疫応答を呼び起こすことができます。 2. 年齢と共に変化する役割:子供にとって特に重要 扁桃腺は、特に乳幼児期から小児期にかけて重要な役割を果たします。 未発達な免疫システムを補完: 乳幼児期は、免疫システムが未発達です。扁桃腺は、免疫システムの成熟を促進し、病原体に対する抵抗力を高める役割を果たします。 アレルギー疾患のリスクと関連: 近年の研究では、扁桃腺の摘出と小児のアレルギー疾患の発症リスクとの関連性が示唆されています。扁桃腺は、アレルギー反応に関与する免疫細胞の制御にも役割を担っていると考えられています。 3. 扁桃炎:病原体との戦いの証 扁桃腺が炎症を起こすと、それが 扁桃炎 です。扁桃炎は、扁桃腺が病原体と戦っている証とも言えます。 症状: 扁桃腺が赤く腫れ、痛みや発熱、咽頭痛などの症状が現れます。 原因: ウイルスや細菌が原因で起こります。 治療: 多くの場合、自然治癒しますが、症状がひどい場合は薬物療法が必要となります。 4. 摘出の是非:慎重な判断が必要 扁桃炎を繰り返す場合など、扁桃腺を摘出することがあります。しかし、扁桃腺は重要な免疫器官であり、安易な摘出は避けるべきです。 摘出の判断基準: 扁桃炎の頻度や重症度、睡眠時無呼吸症候群などの合併症などを考慮して、慎重に判断する必要があります。 摘出後の